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どうやったら美味しいお茶を淹れられるかは、お茶愛好家の永遠のテーマです。ある人は茶葉のグレードを上げたり、ある人は特別な茶器に変えたり、またある人は淹れ方をマスターしたり。
色々な方法がありますが、今回は誰でも簡単にそして劇的にお茶を美味しくできる近道を紹介します。
その方法はズバリ、『水を変える』ことです。
みなさんはお茶を淹れる時、どんなお水を使っていますか?
「茶葉が茶の味を決める」と思われがちですが、実はお水は茶葉と同様に非常に大切なのです。茶=茶葉の成分が溶け込んだ水、と考えると、ベースとなる水によってお茶の香りや味は大きく左右されるのが自ずとわかりますね。
お茶を淹れる時に水道水を使うのは問題ありませんが、本来のお茶の香りと味を最大限に引き出すには、水道水の中の塩素を除去することが必要不可欠です。
想像してみてください。とても品質の良い茶葉を、カルキ臭が強いプールの水で淹れたら、どんな香りと味になるのか・・・
日本全国どこの水道水でも、プールの水とまでいきませんが、最低基準値の塩素濃度が確保されるように管理されています。塩素によって水道水の中の病原生物は殺菌・消毒され、安全なお水が供給されていますが、塩素濃度が高いとカルキ臭のする不味いお水になります。また、季節や地域によって投入される塩素の量は異なり、浄水場に近ければ近いほど、塩素濃度は高くなります。
デモンストレーションとして、そのままの水道水、塩素の全く入っていない天然水で比べてみました。鑑定方法は、同じ台湾茶葉3g、100℃のお湯150ml、抽出時間5分です。
写真左は水道水、右は天然水で淹れたものです。
水道水で淹れると、色は濃く出ますが少し曇っています。天然水の方は、色は透明感があり透き通っています。
水道水は、ツンとした苦いような不快な香りが強く出ます。口に含むと、苦味と渋みが全面的に出てカルキの味がします。喉越しは悪く、スーッと喉の奥へ流れません。天然水は、ふわりとやわらかな花の香りが漂い、口に入った瞬間甘みを感じ、スーッと滑らかに喉へ通っていきます。後味も甘く、心地の良いフィニッシュが続きます。
塩素がない水で淹れたお茶は、本来の台湾茶の香りや味が引き出されているのに対し、水道水で淹れたお茶は、苦味と雑味が目立つ別物のお茶になってしまいました。
結果からもわかるように、水はお茶を淹れる際とても重要な要素だとわかります。
美味しいお茶を淹れるには、水道水を使う場合は浄水装置などの活性炭フィルターを通すことで、塩素の問題はかなり改善されます。
こだわりの人には、天然水などのミネラルウォーターがお勧めです。
手軽だし、とっても美味しいお茶が淹れられます。選ぶ時に注意することは、アルカリ水や硬水ではなく、軟水を選んでください。
いつも飲んでいるお茶を『今までとは違う水』で試してください。お茶が驚くほど美味しくなりますよ!