世界中のお茶好きを虜にする台湾茶ですが、日本では「台湾茶? 聞いたことないし、飲んだことない」という人が多いのが事実です。
日本の人々にも台湾茶を知ってもらいたいと思い、Tenchinokouro News を始めました。
これからBenとMayukaで台湾茶の情報をわかりやすく発信していきたいと思います!
「台湾茶とは台湾でつくられたお茶」。
それで終わってしまうにはもったいないほど、台湾茶の香りと味は素晴らしい。そして、その歴史、品種、栽培環境や製茶方法など台湾茶の世界は広い。数回のブログだけで台湾茶を語るのは到底無理なので、これから少しずつお伝えしていきます。
記念すべき一番最初のトピックは、皆さんに良く聞かれる質問「台湾茶って日本の緑茶や紅茶とどう違うの?」についてまとめました。
希少な台湾茶
生産量で比較すると、世界で生産されるお茶の70%は紅茶、次いで緑茶です。台湾茶の生産量は世界全体の0.5%に満たない、とても貴重なものと言えます。
コロコロ丸い台湾茶葉
高級な煎茶は細長い針状、抹茶はパウダー状。高級な紅茶は曲がった針金状。台湾茶は細長くよじれたものもありますが、丸い玉のようなものが代表的です。
湯を注ぐと、小さく硬く揉まれた玉が驚くほど大きく広がり、摘んだ時の茶葉の姿によみがえります。これは茶葉を細かく刻まない、フルリーフならではの台湾茶の醍醐味です。
茶葉の色で比べると、緑茶は発酵させていないので茶葉そのままの緑色をしています。紅茶は完全に発酵させているので黒っぽい茶色。台湾茶は部分的に発酵させているので、緑がかったり茶色っぽい色をしていたりと、多様です。
熱々の熱湯で淹れる台湾茶
玉露は50度、他の緑茶もぬるめのお湯で淹れるのに対し、台湾茶は基本的に100度の熱湯で淹れます。湯冷ましでお湯の温度を下げる緑茶と急須の上から熱湯を流しかける台湾茶。対照的で面白いです。
自由度の高い台湾茶
日本の茶道とは違い、台湾茶にはもともと厳格な作法はありません。いかに美味しく淹れるかに重点が置かれています。台湾茶にも茶芸という作法はありますが、肩肘張らない自由さは台湾茶の最大の魅力です。
香りとうまみを合わせ持つ台湾茶
美味しい緑茶を飲むと、「ん? 出し汁?」と思うほど感じる旨み成分。良い緑茶ほど、このうまみが強いと言われています。一方紅茶は、ストレートで飲んでも、ミルクを入れても、しっかり香る紅茶が良質とされています。
旨みの日本茶、香りの紅茶の両方の良いところを兼ね揃えたのが台湾茶と言っても過言ではありません。
その秘密はお茶を分類する発酵度に関係してきます。緑茶は全く発酵をさせない不発酵茶、紅茶は完全に発酵させた発酵茶となります。台湾茶は緑茶と紅茶の中間的存在、半発酵茶になります。
半発酵と言っても、半分発酵させる訳ではなく、熟練の茶師が品種、季節、天候などによって、発酵を止める瞬間を見極め、理想の香りと味を引き出します。
この部分発酵を極めることによって、熱湯で淹れても紅茶のような渋みや緑茶のような苦味が出ず、香り高く甘みや旨みが際立つ、究極の台湾茶が生まれるのです。
また、半発酵茶の中でも発酵の弱いものは緑茶に近かったり、発酵が高いものは紅茶に近かったりと、台湾茶は実に個性豊かで多種多様です。
身近な存在の緑茶や紅茶と比較してみて、台湾茶のことが何となく伝われば嬉しいです。
台湾茶に関して知りたいこと、疑問に思っていることがあれば何でも聞いてください。